1.唾液検査とは

唾液検査唾液には後で説明するとおり重要な働きがあります。
この唾液の働きや量、そして虫歯を引き起こす細菌の検査を行うのが唾液検査です。

 

 

また、歯周病菌や真菌(カンジダ)の検査も行います。

 

口臭治療を受けられる方には、更に詳細な検査を行います。

2.唾液の作用

(1) 唾液にはどんな作用があるの?

唾液には、大変重要な作用があります。

 

緩衝作用・・・酸を中和して虫歯を防ぐ。
再石灰化作用・・・酸で溶けた歯を修復する。
洗浄作用・・・食べカスや細菌を洗い流す。
抗菌作用・・・細菌の繁殖を防ぐ。
保護作用・・・歯を保護する。
保湿作用・・・粘膜を傷つきにくくし、細菌や食べ物を歯や粘膜につきにくくする。発音をしやすくする
修復作用・・・傷を治す上皮成長因子や、脳神経の老化を防止する神経成長因子などが含まれ、口の中だけでなく体全体を守る意味でも重要。

 


抗菌作用を有する物質としては、リゾチーム、ラクトフェリン、ペルオキシダーゼ、ディフェンシン、免疫グロブリンなどがあります。

(2) 唾液が不足すると、どうなるの?

唾液は、成人では1日に1.5リットルもの量が唾液腺から分泌されていると言われています。
唾液が不足すると、

 

・ 虫歯の多発
・ 口臭が起こりやすい
・ 食事がしにくい
・ 味覚異常が起こる
・ インフルエンザなどにかかりやすくなる
・ 舌が痛くなる
・ 口が渇く

 

など、様々な問題が起こります。
特に、口が渇いていると食べ物がぱさぱさし、美味しく食事が出来ません。
更に、入れ歯の方は歯ぐきの部分に傷がつきやすく、かむときに頑固な痛みが伴い、食事が苦痛とさえなる場合もあります。

3.唾液検査の検査項目

(1) 唾液の量

5分間にどれくらいの唾液が出るか、調べます。
ガムのようなものを噛みながら測定する『刺激時唾液』と、じっとした状態で唾液をはき出して調べる『安静時唾液』の2種類を測定する場合があります。
(安静時唾液はオプション)
唾液の量が少ないと、お口の中が酸性になりやすく、虫歯リスクが高まります。

(2) 唾液の質(唾液緩衝能)

唾液には、お口の中に入ってきた酸や、虫歯菌の産生した酸を中和する能力があります。
これを『唾液緩衝能』と呼びます。
唾液の中和力には個人差があります。
中和力が弱いと虫歯リスクが高くなります。

(3) 虫歯菌:ミュータンス菌

虫歯は、ストレプトコッカス・ミュータンスという菌が歯に付着し、それが糖を食べて排泄物として酸を産生し、それが歯を溶かすことによって起こります。

ミュータンス菌は乳歯が生えそろうまでに母から感染し、一度感染すると一生同じ割合でお口の中に定着します。
このミュータンス菌が高い割合で存在するほど、虫歯リスクが高くなります。
虫歯リスクを調べる上で、最も重要な要素といえます。

(3’)虫歯菌:ソブリヌス

ストレプトコッカス・ソブリヌスはミュータンス菌の仲間の虫歯菌です。
ネバネバ物質を作る能力がミュータンス菌より強く、より虫歯を作る能力の高い細菌と言われています。

ソブリヌス菌がお口の中に存在する人は、ミュータンス単独感染の人より虫歯リスクが高いと言われています。
通常の唾液検査では検査できませんが、PCR法で検査することが可能です。
虫歯多発傾向の方、徹底的に虫歯予防を行いたい方には、行っていただくべき検査です。

(4) 虫歯菌:ラクトバチラス菌

ラクトバチラス菌は自分自身で歯にくっつくことは出来ません。
したがって単独で虫歯を作ることは出来ません。
しかし、虫歯で穴が開くとそこに入り込み、そこで酸を産生することにより虫歯をより進行させます。
ラクトバチラス菌が多ければ、虫歯リスクは高くなります。

(5) カビ菌(真菌)

入れ歯を入れている患者さんなどに存在する、カビの一種である口腔カンジダ菌を測定します。
以前は高齢で免疫力が低下した方のお口の中で病気を起こすことが問題視されていましたが、近年若い方でも問題を起こすことがわかってきました。

舌がヒリヒリする原因となったり、歯周病が悪化する要因ともなります。  

(6) 生活習慣

食生活など、生活習慣の調査を行います。
飲食回数が多い人ほど、虫歯リスクは高くなります。

4.唾液検査と予防の関係

(1) 難しい虫歯予防

虫歯予防のために必要なのは、

 

・ 歯磨き指導
・ PMTCと呼ばれる、歯科医院での歯のお掃除
・ フッ素塗布
・ フッ素洗口

 

が代表的です。
ところが、これらの処置だけでは、実は結構虫歯が出来てしまいます。

(2) 唾液検査の結果を虫歯予防に活かす

虫歯予防の確実性を高めるためには、唾液検査の結果を予防に反映させる必要があります。
四日市さくら総合歯科では検査結果を見ながら総合的に判断し、ご説明・ご指導しています。
虫歯菌の多い方には、それを減らす対策・母子感染を防ぐための対策について、詳細に説明致します。
唾液の少ない方には、唾液を増やす方法をお教えします。
唾液の質が悪い方には、質の向上方法について伝授致します。
これらの指導は予防を成功させる上に於いて、大変重要な事項です。

5.唾液検査、その他の意義

(1) 唾液検査と歯周病

(a) 歯周病菌の検査

唾液中に歯周病細菌が存在するかどうか、検査を行うことが出来ます。
簡易的な検査と、精度の高いPCR法による検査が可能です。

(b) 唾液中の潜血検査

歯周病が存在すると、便や尿と同じように唾液の中にも見えない出血が起こります。この潜血を調べることが、歯周病の活動性を調べるのに役立ちます。

また、3DSを行う前に検査することにより、血管内に入ってはいけない薬剤の使用可否を決定するのに、重要な指標となります。

(2) 唾液検査と口臭

唾液が少ないと口臭が発生しやすくなります。
口臭が気になる方には、通常行う刺激時唾液だけでなく、安静時唾液も測定します。
また唾液の色調・PH・臭い・沈殿の有無なども調べ、口臭改善指導に役立てています。

6.さくら総合歯科における唾液検査の歴史

さくら総合歯科では、唾液の検査が一般的ではなかった平成13年より開始しました。検査を始めた頃は、お勧めしてもなかなかご理解が戴けず、検査を受けられる方は少数派でした。
しかし、最近は多くの方が検査を受けられ、平成29年8月現在、既に2500人以上の方に検査を受けていただいております。

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