1. 3DSとは?

歯の表面には、無数のバイ菌がこびりついています。
これを 『細菌バイオフィルム』 と呼びます。
細菌バイオフィルムとは、簡単に言えばバリアの中に細菌が閉じこもった状態のことで、消毒薬や抗生物質がやってきても、バリアで跳ね返してしまいます。
したがって、薬で歯にくっついている細菌を大幅に減らすことは出来ません。

 

このバイオフィルムは、歯磨きでは綺麗に除去することは出来ません。
歯科医院で、専門のスタッフが、専用の器具を使って徹底除去します。
これをPMTCと呼びます。

 

PMTCを行えば、細菌バイオフィルムが破壊され、細菌を守っていたバリアも取り除くことが出来ます。

 

ところが、PMTC行ったあとも、歯の表面を電子顕微鏡で見るとたくさんの細菌が残っています。
ただ、PMTCを行った直後は細菌を守るバリアがありませんので、消毒薬をこの段階で歯の表面に作用させると、それが細菌を直撃し、残ったバイ菌の多くを死滅させることが出来ます。

 

歯の表面に一定時間・一定濃度の消毒薬を有効に作用させるために、各個人の歯にあった『トレー(ドラッグリテイナー)』と呼ばれる物を使います。
(四日市さくら総合歯科のドラッグリテイナーは、3DS開発者の花田先生の推薦する技工士のセミナーを受講した当院技工士が作製する、大変密封性の高い特殊な構造のものを使用します。
一般的に使用されることの多い簡易的なリテイナーより、効果の高い3DSが可能です。)

 

ドラッグリテイナー中に専用の消毒薬を流し込んで上下の歯に装着することにより、歯の表面から更に細菌を大幅に減少させることが可能になります。
(下写真)

 


     

 

この方法を、3DS (Dental Drug Delivery System(デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)の略)と呼びます。

 

3DSは虫歯予防に高い効果を有し、歯周病予防にも役立つことがわかっています。
また、結果的に口臭予防にも役立つと言われています。
3DSは歯科医院で行う場合と、ご自宅で行っていただく場合があります。

 

更に歯周病がある程度進行すると、歯周病菌をはじめとした歯周ポケット内の細菌は、血管の中に入り込み、全身に回って悪さをすることがわかってきました。
例えば、動脈硬化を促進させたり、非アルコール性脂肪肝のリスク因子になるなどの報告が次々と出てきています。

 

当院では、この方法を紹介しているHPが殆どない頃 (Yahooなどで検索しても首都圏などのごく一部の歯科医院しかヒットしない頃) から手がけており、様々なノウハウを持っています。
また、3DSの開発者花田先生が所属する、鶴見大学歯学部探索歯学講座の3DS実施歯科医院に登録されています。

 

3DSにとって、ドラッグリテイナーの作り方が非常に重要です。
薬液が漏れてしまうようなリテイナーでは唾液が侵入し、薬液が薄まってしまいます。
それを防ぐには、リテイナーは特殊な構造にしなければなりません。
そのようなドラッグリテイナーを外注すると、技工料だけで上下で12000円から20000円も経費がかかります。
したがって、リテイナー作成料は通常それより高価になってしまいます。
しかし当院では、鶴見大学が推奨する技工所で直接指導を受けた当院技工士が作製するので、同等のものをより安価にご提供しています。

2. 3DSの除菌メカニズム

3.虫歯予防としての3DS

3DSはもともと虫歯予防を目的として始まりました。
主に歯の表面でしか増殖できない虫歯原因No1菌、ミュータンスレンサ球菌を選択的に除菌できるため、虫歯予防の中でも特に効果の高い方法の一つと言えます。

 

この場合、クロルヘキシジンとよばれる消毒剤を含む製品やフッ化第一スズを含むジェルを使用すると良い、と言われています。
使用するドラッグリテイナーの形状は、菌血症予防や歯周病治療に使用する場合と若干異なります。

4.歯周病治療・予防のための3DS

アメリカでは、ホワイトニングに使用する薬剤(過酸化水素)を薄めたものをドラッグリテイナーに入れて行う方法が用いられています。
過酸化水素には消毒作用があることは、一般の方もご存じだと思います。
(オキシドールは過酸化水素です。)
残念ながら、日本では発売されておりません。

 

3DSを歯周病に応用する場合、治療に使用する場合と予防に使用する場合は、使用する薬剤が異なります。

 

(1)歯周病治療に使用する場合

歯周病が進行し、歯周病菌が歯周ポケット内に大量に存在する場合、なるべくその部分に有効な薬剤を、歯周ポケットの入り口付近に集中して供給できるようにする必要があります。
したがって、ドラッグリテイナーの該当する部分に液だまりのような形状を付与し、歯周病原因菌に有効な消毒剤や抗生物質等をそこに流し込み、短期間で歯周病菌が減少するようにします。

 

(2)歯周病予防に使用する場合

歯周病になる前、軽度歯周病の方、歯周病治療が一段落した方の進行・再発予防の目的でも、3DSが使用される場合があります。

 

歯周病治療を支援する口腔化粧品をドラッグリテイナーに入れてお使いいただく新しい方法により、マイルドにお口の中の悪玉菌を抑制します。
この方法は口臭抑制にも効果を発揮します。

 

5.菌血症予防としての3DS

歯周病がある程度進行すると、多くの細菌が血管中に入り、血液の流れに乗って全身を回ります。
この状態を、『菌血症』とよびます。
歯周病の治療行為により、菌血症が起こることは以前よりわかっていました。
しかし近年、歯周病がある程度進行した方は、
歯磨きをしたり食事をしただけでもこの菌血症になってしまうことがわかってきました。

 

血液中に侵入した細菌は、早い段階で免疫によって駆逐されるので、かつては大きな問題にならないとされていました。

 

しかし、近年では菌血症になると細菌が血液の流れに乗って全身を回り、あちこちに定着して悪さをすることが研究により明らかにされつつあります。
菌血症の詳細については、歯周病の内科治療のページをご覧ください。

 

この菌血症を防ぐためには歯周病の予防や治療が必要不可欠ですが、それだけでは不十分です。
その対策として、3DSを使用することを鶴見大学の花田先生らが提唱しておられます。

 

即ち、お口の中のケアにより全身の健康向上にもつながります。

6.口臭予防としての3DS

ドラッグリテイナーに『ペリセラ』という商品を入れて3DSを行うと、口臭予防に役立ちます。

 

ペリセラは、厚生労働省が口腔化粧品として認可しています。
化粧品のため副作用の心配がなく、安全性の高い製品です。

 

含有されている安定化二酸化塩素が酸素を供給し、酸素が好きな善玉菌を抑制せずに、酸素が苦手な歯周病菌を抑制します。
それにより、口臭を抑制します。

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