歯周病は膵臓癌のリスク因子になる
ハーバード大学公衆衛生学部とダナ・ファーバー癌研究所(ともにボストン)のDominique Michaud助教授らは、膵癌リスク増大には歯周病が関与している、とする論文を、British Journal of Cancer(2007; 96)とJournal of the National Cancer Institute(2007; 992)に発表しました。
Michaud助教授らは、1986年に医療・健康専門職男性 51,529例を登録し、疾患歴や食事、ライフスタイルなどに関するデータを収集してきました。
その登録者から膵癌と特定された216例中67例が歯周病に罹患していることがわかりました。
年齢、喫煙、糖尿病、body mass index(BMI)などの交絡因子を調整した後も、歯周病患者では非歯周病患者と比べ膵癌リスクが64%高いという結果が得られました。
同助教授は
「最も説得力があったのは、 一度も喫煙歴がなくても歯周病により膵癌リスクが約2倍となったことだ」
と述べています。
歯周病が膵癌リスクを高める機序について、同助教授は
「炎症が関与しているのかもしれないし、歯周病患者はニトロソアミンを含む細菌を多く保有しているのかもしれない。
ニトロソアミンと胃酸過多が膵癌に関与していることは、これまでの研究で既に示されている」
と述べています。
膵癌のリスクを下げるために、歯周病を治療されることをお勧めします。