(1) ラクトフェリン

ラクトフェリンは1939年に牛乳から発見されたタンパク質です。

 

ラクトフェリンは唾液にも含まれており、お口の中の病原微生物や歯周病菌に対する抗菌活性を有します。
ラクトフェリンを摂取した研究によると、

 

・ 歯周ポケット内の歯周病菌数が減少し、歯周病の症状が改善
・ 歯周病菌から分泌されるLPS(毒素)をラクトフェリンが中和し、TNF-αと呼ばれる炎症性サイトカイン(細胞間の情報を伝達する微量タンパク質)の産生を抑制することで、歯周組織の炎症や歯周組織の破壊を防ぐ

 

などの効果が認められています。

 

MMP-1(matrix metalloproteinase 1)とは、コラーゲンを分解・断片化するタンパク分解酵素のことを言います。

 

歯周病菌毒素(LPS)が存在すると、このMMP-1が多く産生されます。
ところが、LPSにラクトフェリンを加えると、MMP-1の産生量が抑制されます。(右上グラフ)
その結果、ラクトフェリンを加えることによりコラーゲンの合成量が増えます。(右下グラフ)
これは、ラクトフェリンがコラーゲンを産生する線維芽細胞の遊走(方向性を持った移動)を促進することによります。

 

歯周病などで出来た傷の治り(創傷治癒)は、線維芽細胞がコラーゲンを産生し、そのコラーゲンを足場に毛細血管が発達し、流れ込んだ血液が線維芽細胞に酸素や栄養を供給し、更にコラーゲンの産生が進むことにより傷口に侵入し修復します。

 

したがって、ラクトフェリンは歯周病などによって出来た傷の治りを助ける作用があると考えられます。

 

ラクトフェリンのLPS解毒能力

(2) 活性酸素を除去するサプリメント

活性酸素は、白血球が細菌を攻撃するときに出される、体にとって重要な物質です。
ところが、この活性酸素は細胞を劣化させる原因(遺伝子を攻撃するなど)となり、歯周病の進行にこの活性酸素が関与している、という説もあります。

 

一方、体内には活性酸素を取り除く SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)という酵素が存在します。しかし、 活性酸素が大量に発生すると体内に元々あるSODだけでは処理しきれなくなります。 そこで、SODのように抗酸化作用を有する物質:SOD様物質を含んだ食品やサプリメントを摂取することにより、 活性酸素を除去することが、歯周病進行の抑制につながる、と考えられます。

 

代表的な活性酸素の種類は、下の4つです。

 

・ スーパーオキシドアニオンラジカル
・ 過酸化水素
・ ヒドロキシルラジカル
・ 一重項酸素

 

代表的な抗酸化物質『アスタキサンチン』は一重項酸素に対してずば抜けた抗酸化作用を有しますが、当院で取り扱いのあるサプリメントはSOD様食品を原料としており、上記4種の活性酸素に対するバランスの良い抗酸化作用を有します。
ソディッシュ SODサプリ