7.次亜水・オゾン水の利用

海外では、歯周病菌や虫歯菌の殺菌に、クロルヘキジンとよばれる消毒薬が使用されています。
しかし、日本では同薬の有効濃度でのお口の中への使用が原則許可されておりません。
その代わりとして近年歯科の分野で利用されているのが、次亜水とオゾン水です。

(1) 次亜水

次亜水は次亜塩素酸水ともよばれています。
好中球(白血球の一種)は、侵入してきた細菌に対して次亜塩素酸(HClO)を産生することにより殺菌しています。
次亜塩素酸は人体における殺菌能力の本質であるとも言えます。

 

この次亜塩素酸を含んだ水を次亜水と呼び、近年医療の分野を始め様々な分野で使用されています。

 

次亜水の利用法として、

 

・ 歯周ポケット内の洗滌や歯ぐきの下の歯石取りの際に使用
・ 毎日のうがい薬として使用

 

などがあります。
うがい薬として継続的に使用するのは、未知の副作用の問題やお口の中の善玉菌まで殺してしまい、細菌のバランスが崩れることなど欠点も多いことから、当院では推奨していません。

(2) オゾン水

オゾン(O3)は酸素原子3個からなり、それを水に溶かしたオゾン水は強い殺菌力を有し、脱臭力もあります。
オゾン水
オゾンは食品添加物としての使用も認められています
ヨーロッパでは水道水の殺菌はオゾンで行われています。
しかも、オゾン水に含まれるオゾンは分解されて酸素に変わるため、無害で安全性が高いといわれています。
したがって多くの医療機関で利用されています。

 

歯石を取るときや、歯周ポケット内の洗滌等で使用される場合があります。

 

次亜水と異なり、生成後すぐに使わないと効力がどんどん落ちてしまいます。
水道水を原料とした場合、約30分後には濃度が半分になってしまいます。